『獅子の見た夢ー戦禍に生きた演劇人たち』の東京公演の幕が昨日おりました。
俳優座劇場での7ステージ、1回1回を大切に全力で集中して舞台に立ちました。いつもなら達成感で、それまで身体中に満ちていた緊張感がみるみる解けていくのですが、今回は明日から神奈川ツアーが始まるので、肚の裡ではまだ種火が燃え続けています。
戦禍とは太平洋戦争を指していますので、この芝居は78〜77年前の日本での話です。史実を元にした作品であり、劇中の出来事や事件は決して安易に語れない【人類にとっての一大事】ですから、台本に向かう時はどうしても襟を正し覚悟を持って臨むといった心理状態に陥ってしまいます。しかし芝居はあくまでもエンターテイメント、しゃちこばるだけではどうにもなりません。肩の力を抜く部分と心の姿勢を正して言葉を紡いでいく場面を、大胆かつ丁寧に行きつ戻りつしながら創っていきたいと思っております。
発見はまだまだたくさんある筈です。昨日も最後の最後に丸山定夫の言葉で震えました。
明日はひらつか演劇鑑賞会第187回例会です。明日の例会のために担当サークルの皆さんが何ヶ月もかけて準備をしていらっしゃるそうです。そのエネルギーも感じいただきながら2時間15分を生き抜きたいと思います。
(舞台写真:成毛章浩)